はじめに

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相談者
私たちがいなくなった後も障害をもつ子どもがお金に困らないように少ないですが、お金を残したいと考えています。お金を残す方法として、遺言というものがあると聞きました。
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弁護士
遺言を作ることは、1つの選択肢としてありますよね。
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相談者
そもそも遺言って何でしょうか? そこの時点でよくわかっていないのですが。
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弁護士
日本では遺言を作ることは一般的ではないので、そうでしょうね。では、遺言とは何かという点について解説します。
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相談者
よろしくお願いします。

遺言とは?

自由な社会である日本では、自分の持ち物や財産であれば、自由に使ったり処分したりすることができます。自分の死後においても、自分の財産を自由に処分できるようにするためのものが、遺言です。

別の言い方をすると、遺言は、遺言した本人の最後の意思を尊重し、その意思を実現させるためのものです。

遺言は15歳以上であればOK

遺言は、本人の死後に効力が生じます。

そのため、他人から見たら考えが足りないと思えるような内容であっても、本人に不利益は生じません。したがって、15歳以上であれば、中学生の遺言であっても、効力は生じます。

遺言は何度でも作り直せます

一度作った遺言であっても、気が変わって遺言のすべてをなかったことにしたり、遺言の一部を撤回できたりします。また、遺言の全部や一部を変更することも当然にできます。

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相談者
遺言の読み方ですが、「ゆいごん」と「いごん」のどちらが正しいのですか?
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弁護士
法律的には「いごん」です。が、どちらでも構わないので、ご自身に馴染みのある方を使ってください。
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相談者
はい、わかりました。

遺言はなんでもアリというわけではない

遺留分の侵害はできない

遺言によって、死後に自分の財産を自由に処分できます。ただし、相続人(夫や妻、子ども、親)の相続する権利を保障するための最低限(これを遺留分といいます)を超えてなされた場合、その限度で遺言は実現されません。

遺言書を作らないとダメ

遺言は、本人の死亡後に効力が生じます。そのため、遺言の内容について本人に確認することはできません。そのため、本人の意思を明確にするために、遺言は書面・文書にするとことが必要です。

ご注意ください

遺言をボイスレコーダーやビデオに残したとしても、効力は生じません。残された家族に宛てたビデオレターに、遺言を残してもダメですのでご注意ください。

遺言の内容にも制限があります

遺言書には、自由にいろんなことを書くことができます。残された家族にメッセージを伝えることもできます。ただし、遺言書に書かれていることすべてについて法的な効力が生じるわけではありません。

詳しい解説は省略しますが、遺言で書けば効力が生じる主要なものは、次のとおりです。

遺言でしかできないこと

  1. 未成年後見人(未成年後見監督人)の指定
  2. 相続分の指定
  3. 遺産分割方法の指定、遺産分割の禁止
  4. 遺贈
  5. 遺言執行者の指定

遺言でもできること

  1. 子の認知
  2. 相続人の廃除
  3. 特別受益者の相続分に関する定め
  4. 一般社団法人の設立
  5. 信託の設定
  6. 保険金受取人の変更

夫婦共同の遺言は無効になります

夫婦連名で、1つの遺言書を作った場合、効力は生じませんのでご注意ください。夫は夫、妻は妻でそれぞれ遺言書を作る必要があります。

以上が、遺言一般についての基礎知識です。ご理解いただけたでしょうか。