特別児童扶養手当とは?

特別児童扶養手当の意味

特別児童扶養手当とは、障害のある子どもを育てている親などの保護者に対して支給される月数万円の手当のことです。

ここでいう障害には、

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害
  • 発達障害

が含まれます。

特別児童扶養手当は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」という名前の法律を根拠とするものです。そのため、お住まいの都道府県に関わらず、支給されます。

支給額

特別児童扶養手当の支給月額は、2020年4月分から、次のとおりです(特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令5条の2)。

  • 重度(1級)5万2500円
  • 中度(2級)3万4970円
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支給額については、法律には一定額で定められています。しかし、実際には固定した額ではなく、改定されます。

支給開始時期

後ほど詳しく説明しますが、特別児童扶養手当をもらうためには、都道府県知事や政令指定都市市長の認定が必要になります(特別児童扶養手当等の支給に関する法律5条)。

特別児童扶養手当をもらえる場合には、認定を請求した月の翌月から支給されます(特別児童扶養手当等の支給に関する法律5条の2)。

遡って手当をもらうことはできません。

特別児童扶養手当は、それがもらえる程度の障害があっても、認定を請求しなければもらえません。つまり、認定の請求が遅れるとそれだけ支給する金額は減ることになります。ご注意ください。

特別児童扶養手当は、毎年4月、8月、12月に4か月分まとめて支給されます(特別児童扶養手当等の支給に関する法律5条の2第3項)。

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まとめて支給される月の上旬に、指定した銀行口座に「コウセイロウドウダイジンカンボウ」という名前で振り込まれます。

所得制限に注意

特別児童扶養手当は、障害のある子の親や保護者が裕福であると支給されません(特別児童扶養手当等の支給に関する法律6条・7条)。これを所得制限といいます。

では、具体的にどの程度裕福だと特別児童扶養手当がもらえなくなるでしょうか? 厚生労働省がわかりやすい一覧表を作成してくれていますので紹介します。

扶養親族等の数受給資格者本人収入額
収入額の目安
受給資格者の配偶者及び扶養義務者
収入額の目安
0642万831万
1686万859万
2728万883万
3770万906万
4812万930万
5855万954万
厚生労働省「特別児童扶養手当について」改変

ここの「扶養親族等」とは、特別児童扶養手当を請求する人の(1)配偶者または親族で、(2)生計が一緒で、(3)年間の給与が103万円以下、または年間の所得が48万円以下などの条件に該当する人です。例えば、専業主婦や未成年者は扶養親族にあたります。が、共働きだと配偶者は「扶養親族等」に含まれない場合もあります。

また、「扶養義務者」とは、特別児童扶養手当を請求する人と(1)生計が一緒の(2)親、祖父母、兄弟姉妹、子や孫です。

収入額の目安はあくまでも目安です

収入額の目安は、給与所得者を例としていて、個人事業主やさまざまな所得控除が受けられる場合には、収入額がこの表の金額以上でも特別児童扶養手当がもらえることもあります。所得制限を受けるかどうかは、市区町村の窓口でご確認ください。

特別児童扶養手当をもらう手続き

特別児童扶養手当の申請窓口

特別児童扶養手当の申請は、お住まいの市区町村で行います。市区町村のサイトには、特別児童扶養手当について紹介されていますので、事前に調べておきましょう。それから、市区町村の障害福祉課に問い合わせます。

必要書類

特別児童扶養手当の申請に必要な主な書類は、次のとおりです。

  • 特別児童扶養手当認定請求書(窓口で取得)
  • 戸籍謄本
  • 振込先口座の通帳またはキャッシュカード
  • 特別児童扶養手当用の診断書(窓口で取得)
  • 調査表(知的・精神障害以外の場合で窓口で取得)
  • 印鑑
  • マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード

お住まいの地域によって、特別児童扶養手当の申請に必要な書類が異なることがありますので、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

診断書

特別児童扶養手当の申請には、それ用の医師の診断書が必要です。ただし、すでに療育手帳を取得している場合には、提出が省略される場合もあります。もっとも、療育手帳の等級が軽度の場合には、特別児童扶養手当が支給されないおそれがあるので、主治医や専門医に診断書を改めて作成してもらう必要もあるでしょう。

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特別児童扶養手当用の診断書は、児童相談所でも作成してもらえます。療育手帳と特別児童扶養手当の両方を一緒に申請すると、スムーズに進むのでオススメです。

特別児童扶養手当がもらえる要件

特別児童扶養手当がもらえる要件について、比較的基準がわかりやすい身体障害については省略して、知的障害、発達障害に絞って解説します。

障害認定基準

厚生労働省は、特別児童扶養手当の障害程度(1級か2級か)の認定について、その認定基準を公表しています(特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令別表第3における障害の認定について)。

なお、この基準は、障害年金の障害認定基準とほぼ同じです。

知的障害の場合

知的障害について、特別児童扶養手当の障害認定基準をまとめると、次のようになります。

障害の程度障害の状態IQ療育手帳
1級(1)知的障害があり、(2)食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、(3)会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、(4)日常生活が困難で常時援助を必要とするものおおむね35以下A(重度)
2級(1)知的障害があり、(2)食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、(3)会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、(4)日常生活にあたって援助が必要なものおおむね50以下
知的障害の認定基準(改変)

なお、「知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。」と注意書きがあります。

発達障害の場合

発達障害について、特別児童扶養手当の障害認定基準は、次のとおりです(あくまでも例示)。

障害の程度障害の状態
1級(1)発達障害があり、(2)社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、(3)著しく不適応な行動が見られるため、(4)日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級(1)発達障害があり、(2)社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、(3)不適応な行動が見られるため、(4)日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
発達障害の認定基準(改変)
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弁護士
知的障害も発達障害も、日常生活を送る上で、常に援助が必要か、常にではないものの援助が必要な場合には、特別児童扶養手当をもらえると理解していいでしょう。

終わりに

以上が、特別児童扶養手当の意味、申請の手続き、認められるかどうかの基準(要件)についての解説でした。

特別児童扶養手当は、障害のあるお子さんやその家族に対する経済的支援の中でも最重要なものです。障害の受容は難しいと思いますが、遡って手当を請求することはできませんので、早めの申請をお勧めします。