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元夫の居場所を知りたい






動画で解説
住民票を取れるのは原則として本人や同居している家族
住民票というのは、住所だけではなく、氏名、生年月日、本籍などのプライバシー情報が記載されています。そのため、住民票を手に入れることができる人は、原則として、以下に制限されています(住民基本台帳法12条1項)。
- 本人
- 本人と同じ世帯の人
- 委任されている代理人
例外として他人の住民票を手に入れることができます(第三者請求)
ただし、「正当な理由」がある人からの申し出が、必要かつ相当な場合には、他人の住民票を手に入れることができます(住民基本台帳法12条の3第1項)。このことを「第三者請求」と呼びます。
以下のいずれかに当てはまる場合には、「正当な理由」があるといえます。
- 自分の権利や義務のために、住民票に書いてある情報を確認する必要がある人
- 国または地方自治体に住民票を提出する必要がある人


1. 貸したお金を返してもらいたい
2. 裁判を起こすために住所を知りたい
3. 相続人を探している etc.
他人の住民票を手に入れる具体的な流れ
役所の窓口、または郵送で手に入れます
では、他人の住民票を手に入れる具体的な流れを説明します。住民票を手に入れるという点では、自分の住民票を手に入れる方法と基本的な流れは同じです。ただ、「正当な理由」があるかどうかの確認をする必要があるため、コンビニなどでマルチコピー機で手に入れることはできないでしょう。したがって、他人の住民票を手に入れる方法としては、窓口か郵送で手に入れるということになります。
自分または同一世帯の家族の住民票を郵送で手に入れる方法については「住民票を郵送で手に入れる方法」や、下の動画で詳しく説明しているので、参考にしてください。
請求書の書き方
自分または同一世帯の家族の住民票を手に入れる方法と、第三者請求で異なるところは、次の2点です。
- 住民票の交付請求書(申請書)に記入する「使用目的・使途・使い道」の部分です。ここに、他人の住民票を手に入れる「正当な理由」を記入します。
- 本人確認書類の他に、「正当な理由」があることを示す書類が必要になります。




元夫が引っ越したことがわかるように、戻ってきた手紙や葉書などもあるといいでしょう。
1. お金を貸したことがわかる契約書や借用書
2. 判決書
3. 相続が発生していることや相続人であることを明らかにするための戸籍謄本など
弁護士などの専門家も他人の住民票を手に入れることができます(職務上請求)


以下の専門家が、依頼を受けている事件や依頼者が「正当な理由」がある場合に、他人の住民票を手に入れることができます(住民基本台帳法12条の3)。これを「職務上請求」と呼びます。
- 弁護士
- 司法書士
- 土地家屋調査士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 弁理士
- 海事代理士
- 行政書士
第三者請求の場合は、役所で「正当な理由」があるかを判断します。ですので、「正当な理由」があるか判断するための書類を見せることが求められます。
他方、職務上請求の場合は、「正当な理由」があるかを弁護士などの専門家自身が行います。そのため、住民票を手に入れるときには、「正当な理由」があることを示す書類を役所に見せる必要はありません。


他人の住民票を手に入れることだけの依頼はお断りしています。また、依頼が終了するまでは、住民票で知った住所を依頼者にお知らせすることも基本的にはありません。これらについてはご注意ください。
まとめ
以上が、他人(本人または同一世帯の家族以外という意味)の住民票を手に入れる方法として、第三者請求と職務上請求の二つがあること、その具体的な流れの解説でした。
第三者請求をやってみたけれど、役所が住民票を渡してくれなかった、「正当な理由」があるかわからないということは、弁護士にご相談ください。
転出の届出をせずに(住民票を移さずに)引っ越した場合や、住民票の閲覧制限がかかっている場合などは、相手の住所などがわからない場合もありますのでご注意ください。