障害者の1人暮らしをサポート

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相談者
私たちには、知的障害のある子どもがいます。本人の希望もあって、親元を離れて一人暮らしを考えています。
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弁護士
うまく一人暮らしができたら、親御さんも安心でしょうね。
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相談者
はい。ただ、一人暮らしとなると、私たちが手助けすることは難しいので、私たちに代わって、子どもの一人暮らしをサポートしてくれる制度があればいいのですが。
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弁護士
障害者の日常生活を支援する「障害者総合支援法」に、一人暮らしをサポートする福祉サービスがありますので、ご紹介します。

障害のある方の一人暮らしをサポートする障害福祉サービスは、主に次の3つがあります。

  1. 居宅介護
  2. 重度訪問介護
  3. 自立生活援助

この3つのサービスについて、次の3つのポイントに絞って整理します。

  1. サービスの具体的な内容
  2. サービスを受けられる人
  3. 受けられるサービスの量・時間

居宅介護

居宅介護のサービス内容

居宅介護とは、障害者・障害児などに対して、居宅で、入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助のことです。「ホームヘルプ」ともいいます。

居宅介護サービスの内容は、次のとおりです。

  1. 身体介護
  2. 家事援助
  3. 通院等介助
  4. 相談助言その他

身体介護とは?

身体介護とは、体に直接触れる介護サービスのことです。例えば、お風呂、トイレ、食事、着替えなどのサポートです。

家事援助とは?

家事援助とは、体に直接触れない介護サービスのことです。例えば、料理、買い物、掃除、洗濯などのサポートです。

通院等介助とは?

通院等介助とは、病院、役所、福祉サービス事業所への移動をサポートすることです。

居宅介護を受けられる人

居宅介護サービスは、障害支援区分1から6までの障害者・障害児が受けることができます。

なお、一人暮らしじゃないと利用できないということはなく、同居している人がいても利用することができます。

居宅介護サービスの量・時間

居宅介護サービスは、どれぐらいの時間・頻度で利用できるでしょうか? 居宅介護サービスの量・時間は、障害支援区分が上がるほど、増えます。また、基準となる量・時間は、お住まいの市区町村によって異なります。そして、身体介護、家事援助、通院等介助の組み合わせ方によっても異なります。ですので、地域や利用者によってサービスの量・時間はさまざまです。

おおよその目安は、一か月あたり、少なくて数時間から100時間の間ぐらいです。このように居宅介護サービスは、短時間の支援を基本としています。

重度訪問介護

重度訪問介護のサービス内容

重度訪問介護とは、重度の四肢不自由者、重度の知的障害者・精神障害者に対して、居宅または医療機関で、入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助と、移動中の介護を総合的にサポートすることです。

重度訪問介護のサービスの内容は次のとおりです。

  1. 身体介護
  2. 家事援助
  3. 移動中の介護
  4. 相談助言見守りその他
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弁護士
重度訪問介護のサービス内容を簡単に示すと、長時間の居宅介護 + 見守りと考えていいでしょう。

重度訪問介護を受けられる人

重度訪問介護を受けられる人をシンプルに示すと、(1)重度の肢体不自由者、(2)重度の知的障害・精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、(3)常時介護が必要な人となります。

具体的には、次のような方が該当します。

  • 人工呼吸器を使用している身体障害者
  • 最重度知的障害者
  • 強度行動障害者

重度訪問介護のサービス量・時間

重度訪問介護は、常時介護が必要な人向けのサービスなので、居宅介護とは異なり、長時間のサービスが前提となっています。必要な場合は、3交代制の24時間でサービスを受けられます。

供給不足という問題

このような手厚いサービスが受けられる重度訪問介護ですが、希望すればサービスを受けられるわけではありません。供給不足が問題となっています。供給不足の原因の一つとして、事業者に支払われる報酬が、居宅介護のほぼ半分という点が挙げられています(以前はもっと低かったです)。事業者が提供する居宅介護と重度訪問介護のサービス内容に大きな差がないのであれば、時間単価の低い重度訪問介護を避けるのは、自然と言わざるを得ません。

自立生活援助

自立生活援助のサービス内容

自立生活援助とは、居宅で自立した日常生活を送る上でのさまざまな問題に対する相談、助言、情報提供、関係機関との調整などの援助のことです。

このサービスの特徴は、支援者が定期的に訪問するだけではなく、利用者から連絡に対応する形でも受けられることです。

自立生活援助のサービス内容を考えると、重度訪問介護の利用者が利用するメリットは特になさそうです。ですので、自立生活援助サービスは、居宅介護を利用すれば居宅で自立した生活を送れる方向けの補助的なものといえると思います。

自立生活援助を受けられる人

自立生活援助を受けられる人は、次のとおりです。

  1. 施設を退所した障害者
  2. グループホームを退所した障害者
  3. 自立生活援助が必要な人で、かつ、単身または家族が病気などで支援が受けられない人

自立生活援助のサービス量・時間

月2回以上の訪問で、原則として1年以内で終了します。1年以内という期間が限定されているのは、居宅での自立生活に慣れるまでのサポートという位置付けだからです。

まとめ

以上が、障害のある方の一人暮らしをサポートする3つの福祉サービスの紹介でした。3つのサービスの特徴をまとめると、次の表になります。

居宅介護重度訪問介護自立生活支援
短時間のサービス長時間のサービス1年間限定のサービス
障害の程度に制限なし重度のみ制限なし
3つの福祉サービスの特徴