自己破産における「同時廃止」と「管財事件」とは?

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相談者
借金が返せなくなったので自己破産を検討しています。自己破産にはいくつか種類があると聞きました。どういうものがあるのですか?
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弁護士
大きく分けると、「同時廃止」と「管財事件」の2つがあります。
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相談者
なんか難しそうですね。どのような違いがあるのですか?
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弁護士
それでは、自己破産における「同時廃止」と「管財事件」についてと、その違いについて解説します。

同時廃止とは?

破産手続は、裁判所で行われる法的手続きです。その目的は、破産を申し立てた人の財産をお金に換えて、お金を貸した人などの債権者に配当することです。

しかし、破産を申し立てた人に、キャッシュや、お金に換えるだけの財産がない場合には、換価や配当などの破産手続をするだけ無駄になります。したがって、そのような場合は、破産手続を一応開始するものの、同時に破産手続を廃止すること(終了させること)になっています。このことを同時廃止、または略して同廃といいます。

同時廃止は、以下のように破産法という法律に定められています。

裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。

破産法216条1項

個人の自己破産の場合、その多くは換価して配当するだけの財産がありません。したがって、同時廃止になることが多いです。

管財事件

他方、同時廃止にはならない場合、つまり、お金に換えて、債権者に配当するだけの財産がある場合などには、破産手続は開始と同時に廃止されません。そのような場合は、裁判所は、破産を申し立てた人の財産を管理する「破産管財人」を選任します。これを管財事件といいます。

破産管財人が選任されることは、破産法で決められています。

裁判所は、破産手続開始の決定と同時に、一人又は数人の破産管財人を選任し、かつ、次に掲げる事項を定めなければならない。(以下略)

破産法31条1項

なお、管財人は、自己破産の申し立てを代理した弁護士ではない、その地域の弁護士が選任されます。

同時廃止と管財事件の違い

それでは、自己破産において、同時廃止と管財事件には、どのような違いがあるでしょうか? さまざまな違いがあります。その中で、自己破産を申し立てる人にとって、一番重要なのは、自己破産の手続に必要な費用が変わる点でしょう。

管財事件は、同時廃止よりも余分なお金が必要となります。どういうことかというと、管財事件の説明の最後に書いたように、破産管財人は弁護士が選任されます。管財事件の場合は、その弁護士に支払う管財人の報酬を、破産を申し立てる人が用意しなければなりません。

では、破産管財人の報酬はいくらでしょうか? 少なくとも20万円はかかります。この金額は決して少ないとはいえない金額です。

まとめ

以上の解説の大事なポイントは、次の2つです。

  1. 基本的には、自己破産申し立て時点に、財産がほとんどなければ同時廃止になり、財産がある場合には管財事件になること
  2. 管財事件は同時廃止よりも少なくとも20万円の費用が余分にかかること

自己破産を検討する際には、この2つのポイントをご理解のうえ、検討してください。