DV

ドメスティック・バイオレンス

DV保護命令(配偶者暴力に関する保護命令)を申し立てられた方へ

DV保護命令は約8割が認められてしまいます。DV夫・暴力夫という汚名を着せられないためにも,弁護士にご相談ください。

当事務所では,夫側の代理人として申立ての取下げを勝ち取っています。

弁護士に依頼するメリット

裁判所を説得するために有効な答弁書を提出することができます。DV保護命令の申立ての取下げ・却下を求めるためには,的確かつ説得的な答弁書を提出する必要があります。申立書が届いてから,審尋期日までに1週間も間がないことは,よくあります。そのような短期間に説得的な答弁書を作成することができるのは,弁護士以外にはいないです。

夫側に弁護士が代理人につくことで,裁判所や申立人やその代理人である弁護士に安心を与えることができます。DVが殺傷事件に発展したケースがいくつかあるため,裁判所は簡単には申立てを却下することはありません。しかし,弁護士が夫側の代理人になることで,裁判所や申立人やその代理人である弁護士は,夫側の代理人となった弁護士がちゃんと依頼者である夫をコントロールし,今後の離婚などの問題も理性的な解決に向かうであろうと期待します。この期待や安心があることで,裁判所は申立人に取り下げるよう説得しやすくなりますし,申立人やその代理人も説得に応じやすくなります。

受任方針

当事務所では,DV保護命令を申し立てられた側(通常,夫)の弁護を積極的に受任します。もちろん,DV保護命令の申立ての依頼も受任いたします。

最初の法律相談の際に,申立書の内容に沿って,DV保護命令を申し立てられた夫側の言い分をじっくり聴かせていただきます。そのうえで,当事務所の弁護士が,DVと言われるようなものはなかった,または,夫側に非はあるものの,あくまでも夫婦喧嘩の範囲内であると判断できた場合には,受任いたします。

他方,日常的に暴力を振るっていたり,日常的ではなくとも大きな怪我を負わせていたりして,DV夫と言われても仕方がない場合には,受任をお断りさせていただくこともありますことをご了承ください。ただし,暴力等を振るったことを悔い,やり直したいと心から思っている方の場合は,受任させていただきます。

弁護士費用

当事務所にDV保護命令について依頼する場合の費用は,次の表のとおりです。

 種類 手数料
審尋期日まで残り6日未満の場合 216,000円(税込)
審尋期日まで残り6日以上の場合 162,000円(税込)
即時抗告 162,000円(税込)

DV保護命令は,審尋期日まで時間がないこと,また,審尋期日の変更が容易ではないことから,他の仕事より優先して取りかかることになります。そのため,料金がやや割高になってしまうことは,ご理解ください。

なお,DV保護命令に引き続いて,離婚調停・離婚訴訟についても依頼される場合には,離婚調停等の着手金を割引させていただきます。

よくある質問

裁判所から「審尋期日呼出状兼答弁書催促状」という書面が届きました。家を出ていった妻が,私をDV夫だとして,裁判所に訴えたようです。どうしたらよいでしょうか?
裁判所から送られてきた「配偶者暴力に関する保護命令申立書」をよく読んで,奥さんが嘘をついていたり,その言い分に納得できない場合には,答弁書にあなたの言い分を書いて,指定された審尋期日に出頭して,裁判官に自分の言い分を伝えましょう。

ただ,審尋期日まで1週間から10日間程度しかなく(場合によっては1週間未満のときもあります),答弁書になんて書けばよいのかがわからないという方も多いと思います。そういうときは,当法律事務所に相談してください。

家を出た妻が,私をDV夫であるとして配偶者暴力に関する保護命令の申立てをしました。裁判所から送られてきた申立書には,妻への接近禁止命令だけではなく,家からの退去命令というのもありました。退去命令が出されるとどうなるのでしょうか?
退去命令が出されると,その日に退去の準備をして,家から退去しなければなりません。

退去命令は,家を出たDV被害者が家に戻り引越しの準備をするために,一時的に同居しているDV加害者を遠ざけるためのものです。引越しの準備にしては2か月という期間は長いと感じる人もいると思います。また,DV被害者がすでに引越しを済ませているのに,2か月間が過ぎるまで家に戻れないというのはおかしいです。

そこで,退去命令が出されてから2週間を経過したら,退去命令の取り消しを求めることができます。DV保護命令の申立てをしたDV被害者の同意があれば,退去命令は取り消され,家に戻ることができます。

退去命令の取り消しについては,DV保護命令が出された裁判所にお問い合わせください。

家を出た妻が,私をDV夫として配偶者暴力に関する保護命令の申立てをしました。私は妻に暴力を振るっていないと反論したのですが,認められませんでした。してもいないのに,DV夫とされたことも悔しいです。保護命令が出てしまったら,もうどうしようもないのでしょうか?
あなたが本当に暴力を振るっておらず保護命令に不服がある場合には,高裁で再検討してもらうことができます(これを「即時抗告」といいます)。そのためには保護命令の送達を受けた日の翌日から1週間以内に即時抗告の申立てをしなければなりません。

あなたの不服申立てが高裁で認められることは,正直厳しいです。認められる割合は1割にも満たないという話です。ただ,地裁での審尋のときに出せなかった有力な証拠がある場合や,弁護士を代理人につけず一人で対応していた場合などには,不服申立てを検討すべきかもしれません。まずは当事務所にご相談ください。

子どもを連れて家を出た妻から,離婚調停とDV保護命令(配偶者暴力に関する保護命令)の申立てがなされました。私は妻と離婚してもかまわないと思っていますが,子どもの親権者にはなりたいと思っています。DV保護命令が出されると,親権争いで不利になることはありますか?
DVがあったか否かで場合分けしてお答えします。

DVがあった場合

DV夫であるからといって,必ずしも親権者として不適格ということにはならないので,DV保護命令が出されたとしても,親権争いに直接的に不利にはなりません。

ただし,あなたが,子どもに対しても暴力を振るっていた,または,子どもの目の前であっても妻に対して暴力を振るっていたという事情がある場合,親権者の指定で不利になります。子どもの前で暴力を振るうことは,現在では児童虐待のひとつと考えられているからです。児童虐待防止法でもそのように定められています。

DVがなかった場合

DVはなかったものの,DV保護命令が出てしまった場合であっても,DVがなかったということを立証し,裁判所に認めてもらえば,不利になりません。

子どもに対する接近禁止命令

DVがあってもなくても注意しなければならないのは,6か月間の子どもに対する接近禁止命令が出されると,事実上,親権争いには不利になります。なぜなら,親権者の指定において,裁判所は,現状維持・継続性を重視する傾向があるからです。

したがって,親権が争われることが予想される場合に,妻に対する接近禁止命令の他に,子に対する接近禁止命令の申立てがなされた場合には,注意が必要です。

DV保護命令が出されると,子どもとの面会交流を求めるときに影響がありますか?
場合によっては,面会交流が認められないことがあります。

一般的に,父母が離婚・別居することになっても,両親との交流をもつことは,子どもにとって不可欠なことです。そのため,子どもと一緒に暮らしていない親に子どもとの面会交流を認めることが,明らかに子どもにとって害になる場合以外は,面会交流は認められます。

しかし,面会交流を求めている親がDV加害者の場合,明らかに子どもにとって害になると判断される場合があります。特に,子どもの目の前でDVがなされていて,それによって子どもが傷ついているときには,面会交流が認められなかったり,制限されたりする可能性が大きいです。

DV保護命令が出されているけれど,子どもとの面会交流を望んでいる方は,まずは私たちまでご相談ください。

先日,裁判所からDV保護命令が出されてしまいました。この保護命令に違反するとどうなりますか?
DV保護命令違反は犯罪です。あなたがDV保護命令に違反したことがわかると,警察に逮捕されて,しばらく外に出られなくなりますのでDV保護命令は守ってください。

DV防止法法(正式には「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」)29条は,DV保護命令に違反した者は,1年以下の懲役,または,100万円以下の罰金に処すると定めています。

逮捕

DV保護命令違反は犯罪です。もっとも,犯罪を犯したからと言って必ずしも警察に逮捕されるとは限りません。軽微な犯罪の場合には逮捕されないこともあります。しかし,DV保護命令違反の場合,逮捕されることが多いです。下の表(警察庁の統計をまとめたもの)をご覧になるとわかるように,身柄送致(身柄拘束されて検察官に送致されること)の割合は約8割に至ります。

逮捕されると多くの場合は,勾留されて最大20日間警察署などで身柄拘束されます。

DV保護命令違反の身柄送致割合
平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年
送致人員 67 76 79 56 97
身柄送致人員 53 59 62 37 75
身柄送致割合 79% 73% 78% 66% 77%

起訴

DV保護命令違反が刑事事件として立件されると,検察官はDV保護命令に違反した被疑者について,起訴(裁判にかけること)するか,不起訴にするかを判断しなければなりません。起訴されて有罪判決が下されると前科になります。他方,運良く不起訴になった場合には前科にはなりませんが,前歴として記録には残ります。

起訴には公判請求と略式請求のふたつがあります。公判請求されると,公開の法廷で審理されることになります。他方,略式請求されると,公開の法廷で審理されることはなく,罰金刑の判決が下され,身柄拘束されていた場合には,釈放されます。公判請求されるよりも略式請求される方が早く外に出ることはできますが,100万円以下の罰金なので経済的な出費は軽視できないと思います。

下の表(検察庁の統計をまとめたもの)は,平成21年から平成25年における公判請求,略式請求,不起訴の件数です。丸括弧の中はそれぞれの合計における割合です。公判請求される割合は,約33%以上であることがわかります。

公判請求されると身柄拘束も継続されます。公判請求されるような悪質なケースですと,保釈も認められにくいでしょう。なぜなら,外に出したら,再び被害者に会いに行くと可能性が高いからです。保釈が認められないと,短くても1か月から1か月半は警察署や拘置所に身柄拘束されます。

DV保護命令違反事件の公判請求・略式請求・不起訴の件数・割合
平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
公判請求  35(約37%)  28(約33%)  24(約35%) 28(約33%) 37(約33%)
略式請求  35(約37%)  36(約42%)  13(約19%) 36(約42%) 33(約29%)
不起訴  25(約26%) 21 (約28%)  31(約46%) 21(約25%) 42(37.5%)
合計  95  85  68 85 112

判決

公判請求された場合,どのような判決になるでしょうか? 最高裁判所の回答によると,次のとおりです(小島妙子著『DV・ストーカー対策の法と実務』131ページ)。実刑とは刑務所に行くことです。執行猶予になると,釈放されて,執行猶予期間中に何もなければ,刑務所に行くことはありません。

平成13年1月から平成24年4月までの判決の内容
実刑 執行猶予 罰金
169名 169名中134名 18名
弁護士前園進也の近影

弁護士(アーネスト法律事務所所属)
離婚家庭・再婚家庭の子どもとして、夫婦や家族の問題について情報発信をしています。