養育費

養育費

子どもの養育費のことでお悩みの方へ

養育費は子どものためのお金です。子どもと暮らしていなくても支払うのが親の務めです。

養育費の支払を求める場合には,まずは私たちにご相談ください。

基礎知識

法律上の親である者は,同居の有無や親権の有無を問わずに,子どもを扶養する義務があり,その費用として養育費を負担しなければなりません。

親は,未成熟な子どもに対して,自分と同程度の水準の生活を送らせる義務があります。これを生活保持義務と言います。なので,養育費の額は,親の収入などによって増減します。

養育費の額は両親の話し合いによって決めます。話し合いで決まらない場合には,原則として「養育費算定基準」に従って決めます。

養育費は,子どもが成熟するまで支払わなければなりません。成熟するまでとは,一般的には満18歳まで,または成人するまでというのが実情です。

弁護士費用

当事務所に,監護費用(養育費)の分担や増額を請求だけを依頼する場合の費用の目安は,次の表のとおりです。なお,この金額は一応の目安であってお客様の資力,事案の複雑さ・難しさによって増減いたします。

着手金 報酬金
5年分の養育費の合計額×8.64%以下 5年分の養育費の合計額×17.28%以下

なお,法テラスの民事法律扶助を利用する場合には,法テラス独自の基準によって決まりますので,この表とは異なります。

よくある質問

数年前に私は離婚しました。元夫との間での子どもは私が引き取って育ています。元夫は養育費を最初のうちは支払っていました。しかし,ここのところ何か理由をつけては養育費を支払ってくれません。養育費がなくてもなんとかやっていけているのと,仕事で多忙なので,養育費未払いのまま放置している状態です。養育費には時効はあるのでしょうか?
月々支払う養育費の金額が決まっている場合には,5年間放置すると,時効により支払を拒否されるので注意してください。

養育費について,両親の間で,月々に支払う金額が決まっている場合と,特に決めていなかった場合によって,考え方が異なるので,それぞれについて分けて説明します。

養育費の金額が決まっていた場合

離婚の際,または離婚後に,子どもの養育費について,両親の間で子どもと離れて暮らす親が,子どもの面倒を見ている親に対して毎月月末までに◯万円を支払うという取り決めがなされたとします(口約束でも公正証書にしても同じです。)。このような取り決めで発生する養育費請求権は,「定期給付債権」といいます。この定期給付債権は民法169条により,5年で時効消滅すると定められています。つまり,5年間放置してしまうと子どもと離れて暮らす親は,養育費の支払を拒否することができます。

例えば,月々5万円の養育費が支払われなくなって,8年間放置していたとします。ちゃんと支払われていたら合計480万円(=5万円*12月*8年)の養育費をもらっていたことになります。しかし,5年以上前の養育費の支払を拒否できる,イコール,5年分の養育費しか請求できないということなので,合計300万円(=5万円*12月*5年)の養育費しか請求できません。

ただし,注意しなければならないのは,5年間放置したからといって,今後も養育費を請求できないということではありません。あくまでも5年前のものは支払を拒否することができるというだけです。

養育費の金額を特に決めていない場合

具体的な金額が決まっていないので,「定期給付債権」として5年で時効消滅するということはありません。

しかし,具体的な金額が決まっていないのですから,養育費を支払ってもらうためにも具体的な金額を決めなければなりません。そのためには,まず両親で話し合う必要があります。話し合いでまとまらなかった場合には,家庭裁判所の調停・審判を申し立てて,その手続の中で養育費の金額が決定されます。

ここで気になるのは,過去の養育費を支払ってもらえることができるかという点です。原則としては,調停・審判の申し立てをした時点からの支払ということになります。しかし,例外的な事情があれば,さかのぼって養育費が支払われる場合もあります。

私と夫は,協議離婚をすることになりました。私たちには,5歳の息子がおり,親権者は私ということになりました。養育費の金額としては,どれぐらいになるでしょうか?
養育費の金額は,話し合いで決めるのが原則です。しかし,話し合いがまとまらない場合には,家庭裁判所の調停・審判で利用されている養育費算定表を参考に,話し合いをするとよいでしょう。

養育費算定表については,「裁判所 | 養育費算定表の使い方」をご覧ください。

将来,子どもを私立の学校に入学させたいと思っています。しかし,養育費算定表で算出した養育費の額では,とてもじゃないですが私立の学校には通わせることができません。算定表で算出した金額以上の養育費を求めることはできますか?
事情によっては,私立の学校に通わせる費用を加算した金額になる場合もあります。

養育費算定表は,子どもが公立の学校に通うことを想定していますので,私立学校に通わせる費用は考慮されていません。ただし,相手が私立学校に通わせることを了解している場合,父母の収入・資産の状況,教育水準から子どもを私立学校に通わせることが相当な場合などには,私立学校に通わせる費用を加算されることもあります。

将来,子どもを四年制の大学に入れたいと思っています。成人後から卒業するまでの学費も養育費として請求することはできますか?
話し合いで取り決めた場合はもちろんのこと,父母の学歴や経済力などの事情から四年制の大学に進学することが相当な場合にも,成人後から卒業までの学費を養育費として含めて請求することが認められることもあります。

大学に進学しなかった場合や,短大や専門学校に進学した場合,浪人または留年した場合などについても,きっちり取り決めをしておかないと,後々トラブルに発展しかねないのでご注意ください。

離婚して間もないころは,ちゃんと養育費を支払ってくれていたのですが,支払われる額がだんだん減り,最近はまったく支払ってくれません。どうすればよいでしょうか?
家庭裁判所の履行勧告・履行命令という手段と,給料の差押え・預金の差押えという手段があります。

履行勧告・履行命令

養育費の支払いが,家庭裁判所の調停・審判などで決まった場合には,その家庭裁判所に対して,相手に履行勧告・履行命令をするよう申出をすることができます。履行勧告の費用は無料で,履行命令の費用は1,300円です。しかし,これらの手段は制裁が軽微なので,あまり効果を期待することはできません。

差押え(強制執行)

履行勧告・履行命令で効果がなかった場合,または,すぐにでも養育費を支払ってもらいたい場合には,給料の差押え・預金の差押えという手段があります。

毎月の養育費の支払いを一部でも怠ると,その月以降の養育費についてもまとめて差し押さえることができます。

ただし,相手の給料を差し押さえる場合には,差押え可能な金額に制限があります。給料の手取り金額が66万円以下の場合には,手取り金額の半分まで差押えをすることができます(例えば,手取り50万円の場合には,25万円まで)。また,手取り金額が66万円を超えるときには,手取り金額から33万円を差し引いた分だけ差し押さえることができます(例えば,手取りが80万円の場合には,47万円まで)。

それに対して,預金を差し押さえる場合には,このような制限はありません。

現在,離婚協議中で,子どもの養育費について話し合いをしています。夫は「いま無職だから,養育費なんて払えない。」と言っています。無職の場合は養育費の額はいくらぐらいになるでしょうか?
病気などで働くことができない場合には,収入がゼロですから,養育費算定表により,養育費はゼロから1万円程度になります。

しかし,働こうと思えば働けるのに働かない場合には,機械的に養育費を算出するのは妥当ではありません。ですので,夫の年齢,職歴,資格の有無などを考慮して,仮に働いたときの収入額を統計資料から推定します。そして,その推定額に基づいて養育費の額を算出します。

弁護士前園進也の近影

弁護士(アーネスト法律事務所所属)
離婚家庭・再婚家庭の子どもとして、夫婦や家族の問題について情報発信をしています。