債務整理のリスクは?

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相談者
借金が返せなくなったので、債務整理を検討しています。債務整理には、どんなリスク、デメリットがあるのでしょうか?
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弁護士
債務整理には、4種類あります。どれを選んでも共通して生じるリスク、デメリットがあります。それは、いわゆる「ブラックになる」、「ブラックリストにのる」というものです。
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相談者
私も聞いたことがあります。具体的にはどういうことですか?
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弁護士
はい、それでは、債務整理に共通するリスク、デメリットについて解説します。

動画で解説

債務整理のリスク【あなたの信用情報がブラックに】

債務整理とは?

そもそも債務整理とはなんでしょうか?

債務整理とは、借金やクレジットカードでの買い物などの返済について、

・返済をゼロ
・返済総額の減額
・支払いを待ってもらう
・月々の返済額の減額
・支払回数を増やす

などを実現するための法的な手続き全般を指します。返済で日常生活に支障が生じている状態を改善するためのものです。

なお、債務整理の対象は、お金の支払いであればなんでも含まれます。

債務整理は4種類

一般的に、債務整理には、次の4種類があります。

  1. 任意整理
  2. 特定調停
  3. 自己破産
  4. 個人再生

それぞれには、メリット、デメリットがあります。ただし、ここでは、4種類の債務整理のどれを選んでも生じるデメリット・リスクに限定して解説します。

合わせて読みたい記事

そもそも債務整理とは何か? 4種類の債務整理の方法について詳しく知りたい方は、「債務整理とは? 4つの種類とそのメリット・デメリット(リスク)の解説」で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

ブラックになる? ブラックリストにのる?

では、「ブラックになる」とか「ブラックリストにのる」とは、一体どういうことでしょうか?

それは、お金を借りた人やクレジットカードの利用者に、以下のようなことが起きた場合に、指定信用情報機関が管理している「信用情報」に「異動情報」として記録されることをいいます。

  • 支払いの延滞
  • 弁護士などによる債務整理の開始
  • 保証会社が代わりに支払った
  • 特定調停、自己破産、個人再生の申し立てがされた

「異動情報」は「金融事故情報」や「ブラック情報」とも呼ばれています。

信用情報とは?

「異動情報」(金融事故情報・ブラック情報)を理解するために、「信用情報」についても解説します。

「信用情報」とは、貸金業者を規制する「貸金業法」という法律に次のように定められています。

この法律において「信用情報」とは、資金需要者である顧客又は債務者の借入金の返済能力に関する情報をいう。

貸金業法2条13項

貸金業者からお金を借りている顧客が、弁護士に債務整理を依頼したということは、借りたお金を返せなくなっていることを意味します。したがって、弁護士に債務整理を依頼したという情報は、「信用情報」に含まれます。

信用情報を集める目的

信用情報は、指定信用情報機関が集めて管理しています。指定信用情報機関は、次の3つがあります。

これら3つの指定信用情報機関に加入している貸金業者、クレジットカード会社、銀行などは、「信用情報」を必ず登録しなければなりません。

では、「信用情報」を指定信用情報機関が集めて管理している目的はなんでしょうか? それは、年収の3分の1を超える無理な借入・貸付を防止する(過剰貸付の防止)ためです。

お金を借りる人は、いくつもの貸金業者からお金を借りているのが通常です。貸金業者は、お金を借りたいという顧客がどれぐらい借金を抱えているかを知らないと、適切な貸付か過剰貸付かどうか判断できません。そこで、指定信用情報機関に、お金を借りた人の情報を一括管理させて、貸金業者がお金を貸す前に、指定信用情報機関からその人の信用情報の提供を受けて、お金を貸すか、貸すとしていくらまでかを判断するという仕組みをとることになりました。

ブラック情報のデメリット

貸金業法13条は、次のように定めています。

貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。
2 貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く。)を締結しようとする場合には、前項の規定による調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。

貸金業法13条1項・2項

つまり、貸金業者、クレジットカード会社、銀行などは、顧客にお金を貸したり、立替払いをしたりする際に、信用情報を調査しなければなりません。そのため、信用情報がブラックであることは、すぐに知られることになります。

弁護士に債務整理を依頼した=借金を返済できなくなった過去があることがわかった場合、貸し渋りすることは当然のことです。したがって、信用情報がブラックである限り、新たな借入やクレジットカードの発行の審査は通りにくくなります。これが債務整理のデメリット・リスクとなります。

注意点1

もっとも、信用情報がブラックであっても、過剰貸付に当たらない限り、お金を貸してくれる貸金業者や、カードを発行してくれるクレジットカード会社はあります。したがって、信用情報がブラックになっても、新たな借入や新しいクレジットカードの発行が不可能というわけではありませんのでご注意ください。

注意点2

信用情報がブラックになっても、携帯電話やインターネットの契約、銀行の預金口座の開設、生命保険への加入はできます。日常生活への支障はさほどありませんのでご安心ください。

ブラック情報はいつ消える?

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相談者
信用情報がブラックになると、ずっと消えないのでしょうか?
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弁護士
いいえ、一定期間が過ぎると、信用情報のブラックは消えます。
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相談者
一定期間とは、どれぐらいでしょうか?

信用情報がブラックになっても、契約終了後5年以内に消えますのでご安心ください。

ただし、全国銀行個人信用情報センター(全銀協)は、自己破産や個人再生は、それらが開始された日から10年以内としていますのでご注意ください(個人情報の取扱い | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会)。

まとめ

以上が、債務整理に共通するデメリット・リスクである、信用情報がブラックになることの解説でした。

弁護士に債務整理を依頼したことが、貸金業者、クレジットカード会社、銀行などに伝わると、信用情報にその情報が登録されます。その情報は5年間消えないため、債務整理中やその後に新たな借入や新しいクレジットカード発行の審査は通りにくくなります。

確かに、このことはデメリット、リスクといえます。しかし、生活費が借金に支えられている状態は、経済的に健康な状態とは決していません。信用情報がブラックである間は、なかなか新たな借金がしにくくなるということは、そのような不健康な状況から脱する上で、有益なことだと考えます。