これから調停を申立てようと考えている方に向けて、調停についての基礎知識を説明したいと思います。調停についての基礎知識をおさえておくだけで、調停の全体像がある程度把握できて、落ち着いて調停に臨むことができると思います。この基礎知識を踏まえて、自分一人で調停に臨むことは難しいと感じるようであれば、弁護士への法律相談をお勧めします。

調停とは?

離婚や親権、面会交流、養育費などの夫婦や親子のトラブルを、中立的な機関である裁判所を間に入れて、話し合いで解決する手続きのことを、「家事調停」(単に「調停」と呼びます)といいます。調停のとても大事な特徴として、「話し合い」ということを覚えておいてください。

調停には誰が出席するの?

調停は、2人の調停委員が担当するので、調停委員は毎回必ず調停の場にいます。調停委員は男女1名ずつで、中立的な第三者として、当事者双方の話を聞いて、話し合いを進めてくれます。

調停委員の他に、裁判官も調停に関与しています。ただし、裁判官はたくさんの調停を担当しているので、調停委員のように常に調停の場にいるわけではありません。調停の最後の段階でちょこっと現れるだけというのが一般的です。

調停委員や裁判官以外に、当然、当事者双方も出席しなければなりません。とは言っても、調停に欠席してもペナルティはありません。ですので、相手方が調停を望んでいない場合は、家庭裁判所の呼び出しを無視して、欠席することも少なくありません。

では、調停を申し立てた側が弁護士を雇った場合、ご本人は出席せずに、弁護士だけが出席するだけでも大丈夫でしょうか? 相続関係の調停の場合は、弁護士だけの出席でも大丈夫です。しかし、夫婦や親子のトラブルについては、ご本人の出席を家庭裁判所に求められます。もっとも、仕事や子どもの世話でどうしても出席できないときは、ご本人が欠席しても調停は開かれますので、無理に毎回出席しなければならないわけではありません。

調停をする場所

調停はどこで行われるでしょうか? それは家庭裁判所です。しかし、家庭裁判所は、日本全国あらゆるところにあります。では、自分の都合のよい(例えば、家や職場の最寄りの)家庭裁判所を自由に選ぶことはできるでしょうか? 答えは、原則として、自由に家庭裁判所を選ぶことはできません。調停をする場所については、明確なルールがあり、それに従わないといけないからです。

調停の場所についての基本的なルールとして、相手方の住所地を受け持つ(管轄する)家庭裁判所に対して調停の申し立てをしなければならないというものがあります。例えば、離婚調停をしたい場合、夫や妻の住所がさいたま市の場合は、さいたま家庭裁判所に、調停を申し立てることができます。夫婦がまだ同居している、または、別居しているけど同じ市内に住んでいる場合には、自宅の最寄りの家庭裁判所で調停ができるので便利です。

しかし、相手方が実家に戻ってしまって、遠方にいる場合は、遠方の家庭裁判所で調停が行われます。ただし、遠方の場合は、電話会議システムを使って、遠方の家庭裁判所に行かなくても、調停をすることができますので、ご安心ください。

調停が行われる時間

調停は、平日のみで、土日祝日は行われません。平日の午前中、または午後のどちらかを選べることができます。1回の調停の所要時間は、だいたい90分から2時間です。午前中は10時から始まり、午後は1時半や1時15分から始まります。

調停の回数

調停の回数は、裁判所の統計によると、4回か5回となっています。ただし、これはあくまでも平均であって、ケースによって違います。話し合いの余地がないぐらいに当事者双方が対立している場合や、相手方が調停に来ない場合、調停の回数をこなしても仕方がないので、2回程度で終わることも多いです。他方、時間はかかるものの、話し合いで解決できる場合は、6回以上になることも少なくありません。

調停は、1か月から2か月に1回ぐらいしか入りませんので、調停で解決するためには、平均的に半年ぐらいはかかるものだと思っておいてください。

調停の申し立て方

調停を申し立てる方法は、申立書を家庭裁判所に提出するだけです。申立書のひな形は、家庭裁判所で複写式のものを配布しています。また、家庭裁判所のホームページからもダウンロードできます。

申立書に必要事項を記入します。離婚調停の場合は、◯したりチェックを入れたり、数字を記入するたげなので、ご自身で書くことが十分できます。

そして、必要書類を役所などで手に入れます。多くの場合、戸籍謄本が必要になりますのでご準備ください。

申立書が完成し、必要書類も集めたら、必要な収入印紙と切手と一緒に家庭裁判所に提出します。郵送でも、窓口に直接提出してもかまいません。なお、申立書は、家庭裁判所用の1部と相手方用の1部(合計2部)が必要です。相手方が複数人いる場合は、その数だけ用意します。

申立書や必要書類に不備がなければ、家庭裁判所の担当書記官から連絡があります。第1回目の調停の日程を決めます。第1回目は、家庭裁判所と申し立てた人の都合で日程を決めます。

調停の流れ

第1回目の調停の開始時刻までに家庭裁判所に行きます。指定された待合室でただ待つ場合と、書記官室に行き受付をしてから待合室で待つ場合があります。家庭裁判所によってどちらのパターンなのかは、事前に確認してください。

待合室で待っていると、調停委員のどちらが呼びに来ます。プライバーへの配慮のために、最初は事件番号で呼ばれることが多いので、事件番号は事前に確認しておいてください。事件番号とは、平成30年(家イ)第123号というように、年号、記号、番号の3つで構成されています。家庭裁判所から送られた書類に記載されています。

調停委員について調停室に入ります。最初の調停のときに調停についての基本的な事柄についての説明があります。相手方との同席での説明を求められることがありますが、相手方との同席が無理な場合は正直に伝えてください。なお、弁護士がいる場合は、弁護士が説明しているので、最初の説明は省略してもらいます。

まず、申し立てた方から、話を聞いてもらいます。一通り話し終えたら、次に相手方と代わります。相手方が話している間は、待合室で再び調停委員に呼ばれるまで待つことになります。

再度呼ばれて調停室に入ると、相手方がどう言っているかについて、調停委員から伝えられます。そのうえで、次回の調停までに準備する書類や検討する課題を調停委員から伝えられます。最後に、次回の調停の日時を決めて、その日の調停は終わりです。

調停は話し合いなので、一回で決まることは少ないので、何回か調停を繰り返します。

調停の終わり

最後に、調停はどのようにして終わるのでしょうか。大きく分けて、2つの終わり方があります。1つは、話し合いの結果、妥協点が見つかり、一定の結論で解決して終わる場合です。この場合は、調停調書というものが作成されます。この調停調書には、解決に至った当事者双方の取り決め(調停条項といいます)が記載されます。この調停条項は、法的効力が生じます。

もう1つの終わり方は、話し合いがまとまらず、このまま話し合いを続けても時間の無駄になるので、話し合い自体を止める場合です。他には、相手方が調停に出席せずに話し合い自体ができないため、話し合いを諦める場合もあります。この終わり方になった場合は、訴訟や審判という次の手続きに進むことになります。

以上が、調停についての基礎知識の説明です。ご自身の夫婦や親子のトラブルの解決に少しでもお役に立てれれば幸いです。

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