親の死に目には立ち会えず

自宅付近で外食し、帰宅。湯船に浸かったら、すぐに父から電話があった。危ないので病院に来るようにという内容だった。電話があったのは20時10分。すぐに風呂を出て、着替えて、タクシーで病院に向かった。時間外受付は閉まっていたので、インターフォンを押して当直の職員に中に入れてもらった。

病室に入って、すぐに間に合わなかったことがわかった。黄色い母の姿がすぐに目に入ったから。案の定、もう息は止まっていた。父によると、父が簡易ベットで寝ていたら、看護師さんがやってきて、呼吸が弱くなっていること、息子さんに連絡した方がいいと言われたとのこと。私に電話をしてすぐに呼吸が止まったそうだ。当直の医師が来て、死亡確認をした。死亡時刻は10時41分。

私は母の最期を看取ることはできなかったけれど、父がそばにおり、家族が誰もいない状態で亡くなったわけではないので、後悔の念は生じなかった。

死後の流れ

葬儀会社へ連絡

看護師さんから、母の遺体をきれいにするので、しばらく外に出るように言われた。葬儀会社は決めていなかったので、紹介してほしいと看護師さんに頼んだ。そうしたら、WEBページをプリントアウトした書類を渡され、この中から選んで連絡するように言われた。

飲食スペースに父と移動し、妻にLINEで報告し、その後妻に電話をかけた。葬儀会社は事前に調べていなかったので、どこがいいかはわからなかった。自宅から近い方がいいかなと思い、最寄りの葬儀会社を一つ選んで、ネットで口コミを確認した。口コミは少しあり、特に悪いコメントはなさそうだったので、Sという葬儀会社に連絡した。

葬儀会社の電話対応者から、次のことを聞かれた。

  • 母の名前
  • 発信者の名前の確認
  • 故人と発信者の関係の確認
  • 緊急連絡先の確認
  • 病院名、病棟、病室、遺体の状況
  • 搬送先とその住所の確認

90分から120分ぐらいで到着するとのこと。

エンゼルケア

死後の処置が終わったと看護師に呼ばれ、病室に戻った。病院の浴衣を着て、両手はお腹のあたりで白いリボンで結ばれ、口が開かないようにか頭頂部から顎をぐるっと白いリボンが結ばれていた。母の肌は黄色く、温もりもなく冷たかった(なお、遺体に触ったのはおそらく初めて)。見た目は肌が黄色いだけなのに、なんだか別人に見えてします。亡くなる前の母は意識もなく、会話もできず、呼吸をしているか否か、そして肌の色以外に違いはないのに、別の物という感じがした。

死亡診断書を看護師さんから受け取った。死亡診断書には主治医の記名があったので、死亡時刻以外はすでに用意されていたのだろうか。治療費の支払いは、落ち着いたら病院でしてほしいと看護師さんに言われた。死亡診断書が入った封筒にも同様のことが書かれていた。

霊安室

病室にあった私物をまとて、病室ですることがすべて終わったので、母の遺体は霊安室に移された。男女の看護師さん二人が運んでくれた。霊安室には、大きなソファがあった。病棟・病室の椅子はパイプ椅子なので長時間座るとお尻が痛くなるけれど、ソファであればそのような心配はない。遺体を運んでくれた看護師さんから、葬儀社が到着したら、ナースステーションに霊安室に備え付けられた電話で連絡してほしいと言われた。

葬儀社に連絡して90分後ぐらいに、携帯電話を見たら見知らぬ番号から着信があった。おやすみモードになっていたので、着信に気がつかなかった。折り返ししたら、霊安室のドアの鍵が閉まっているので開けてほしいと葬儀社の方に言われ、外へつながる霊安室のドアの鍵を開けた。葬儀社の担当者は、男性2人だった。簡単な挨拶や、搬送先の再確認、深夜の搬送なので特別料金がかかることなどの説明を受けた。

搬送

そして、ナースステーションに連絡を入れた。看護師さんが到着し、遺体は葬儀社のストレッチャーに移され、白い布で覆われ、ベルトも閉められて、搬送用の車に移された。私と父はその車に同乗して、自宅に戻った。

午前1時ころに自宅到着。玄関よりも庭面しているリビングの開戸の方が入れやすいため、そこから母の遺体を自宅に入れた。母の具合が悪くなって購入したベッドマットをリビングにひき、北枕ではなく西枕で遺体を安置してもらった。安置するのを手伝ったが、当たり前とはいえかなり重かった。

腐敗を少しでも遅らせるために、リビングのエアコンをつけて、一番低い温度に設定し、冷気が逃げないように、雨戸や部屋のドアはすべて閉めた。

葬儀社の方のうち一人(霊柩車の運転手)は、安置後帰って行った。残った担当者が、線香や蝋燭、チンとなる金属の器などを載せる台(正式名称は不明)を設置した。父、私の順でお線香をあげた。

母の口が空いているのが気になったので、父がどうにかならないのかと葬儀社の方に尋ねた。今はどうすることもできないけれど、別料金の納棺師に依頼すれば、なんとかなると言われた。私は、口が開いていることもさることながら、黄色い肌が嫌だった。そのため、納棺師にきれいに死に化粧をしてもらいたかったので、納棺師をお願いしたいと伝えた。

深夜遅くなので、葬儀についての打ち合わせは、明日担当者から連絡があるとのこと。葬儀社の方に、連絡希望時間を聞かれたので、9時30分にお願いした。基本的に葬儀や死後の手続き関係は私が担当することを、事前に父との間で決めていた。

葬儀社の方が帰り、私は自室に戻った。妻には先に寝ているように伝えていたので、起きてはいなかった。入りかけであった風呂に入って、息子を起こしたくなかったので、リビングのソファで眠った。